脳裏にガムが貼り付いて/
ピッピ
か
黒板消しの鳴らす雑音だとか
一瞬で過ぎ去ってしまうそういうことが
誰かにとっての他人事であると同時に
誰かにとって
教科書に書きたくなるくらいの
過去であるということが
掬い出せるものでもなく
現実は指を擦り抜ける
落ちていったものはがらくた
ごみ箱に捨てるはずだったもの
ただそれは
噛んだ後のガムのように
脳の裏側にひっついて
ふと思い出しては指でカリカリやって
変な跡ばかりが
いつまでも残るのである
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