わたしマラソン/
こゆり
あらゆる方向から放たれる光の線を
波には乗らず
その透明さを感じながら
髪をなびかせ
駆け抜ける
ひたいの汗
ぎゅっと握りしめた手からは
こぼれ落ちそうな
ちいさな希望のかけら
息をきらし
先頭を走り続けるのは
いつだって
現在(いま)のわたし
みだれた呼吸で
焦点が合わなくなったら
給水地点にはきみがいて
笑顔
と
ちょっとわがまま言うなら
言葉
があれば
いのちのかけらを削って
現在(いま)のわたし
走り続ける
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