ある島のつづく僕/水町綜助
 
らせんの黒いコード
何かと何かに繋がっているだろうから
青いといわれているこの島の空に
ひゅうひゅうと風を巻き
掛かっているのだろ

治りかけた風邪
鼻水をすすり
まだ少し寒いから
真冬のコートを
前を
合わせる

広い駐車場に
停められたバスは
誰もいない乗室を
青空で
いっぱいに浸して
浸して
すべての僕の瞳の中に
青色をくるりとまるめて
まるめて

そして
気泡の音が聞こえる

ごぷりと
太陽が
金色で
春の葉をすかして
なんでこんなにきれいで
うしなった
誰かが帰ってくるような
こんな悲しい
うれくて
みちあふれた

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