遺書/山中 烏流
 
 
 
 
 
 
 
 ・三日前の話
 
 
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
 
公園の片隅で
未だ、呼吸をしている
小さな亡きがらには
目もくれずに
行きました
 
 
頭上から
押し潰すかのように佇む
あおすぎるくらいに
あおく見える空は、
見詰めるほど
恐怖に変わります
 
人込みが心地よくなれば
その光景も
いつかは
私にとっての楽、に
なりえるのでしょうか
 
 
 
 ・今日の話
 
 
何とは無しに
裸足のままで

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