ノート/乱太郎
 
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する


君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり


洗剤は合成の方がいい
汚れが簡単に落ちるから
こころはこどものままでいい
一度付いた汚れは簡単には落ちない


扉が僕を閉じ込める
鍵は掛かってないのだが


白樺の木々が背筋を伸ばして立っている
誰か笛を鳴らして
起をつけ って言った?


机の上で鉛筆と消しゴムが笑っている
こいつの書くものって
ほんとにくだらないよな


六十億人もいて
孤独だと思っている人が
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