ふしあわせなドーリー/ふたば
 






クラブ仲間と遊んでいても
ドーリーはひとりぼっち
パブの女の子たちは貝殻のようで
手ざわりだけがいいと思う
どんな奴の話も上手に聞けるのに
なんだか仲間たちの腕にある
時計の輪っかになったような気がしてる

公園の草むらで寝そべっていれば
ドーリーは遠くのもっと大きな時計台になれる
すっかり数字になっている彼のところへ
絵描きがやって来て上手に描いてくれたけれど
声なんてかけられたって彼には
酔っ払いの相手をするより面倒なはなし
そんなの受け取ったりはしないだろうに

両親はいつだって心配する
この子はもしかずっと前から
誰ともいることが
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