欠落さたくない日々/江奈
 

表情や態度で表すなら
平淡なままが楽で何かに気を荒げたり、迷ってみたり泣きじゃくったりするのは今でも格好が悪いと思っている。
わたしはカメを飼っていて触れないけど愛おしい。
子供の頃に縁日で買ってもらった小さなカメは、餌もろくに食べないで弱って背中の甲羅が柔くなってしまった。

いくつか年を取り、自分の欲しいものは自分で手に取れるようになった今、あたしの生活にはカメがいる。
餌をやると素早く食いつき、くわえ込んだら本能で離さないような野性的な魅力。
ああ、指でも噛まれたら絶対喰われんだろうな…、大丈夫触れないから!
コイツはあたしの事を好いてくれてんのかなア。
淡々とした浪費させてく生活。欲しいものは本当に手に入れたいものなんだろうか、週3〜5日出勤。午後4時から家を出て、朝方の6時には部屋のテーブルの前に座っている。
(…風呂入って寝よ。)
カメには触れないくせにな!

部屋にファブリーズ振って朝日を見ながら意識を飛ばして就寝。
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