おまえたちは黄色い海の中へとうずもれてゆく/Utakata
浮かぶひとつの油珠であり
火のような星に降り注いだ水のひとつの滴であった
そのことを
おまえたちはまだ やすやすと語ることができるのだろう
(薄黒い雲が地平線から登ってくる
雷の音が少しずつ近くなってくるが
おまえたちは全く頓着せずに
ひまわり畑のところどころで知らない歌を唄っている)
おまえたちに
海に降るすべての雨と
森の奥で倒れてゆく樹の音のために
泣いておくれと頼むのは
傲慢なことだろうか
その瞳の奥に死を見る
鯨や象たちの 最後の鳴き声のために
(おまえたちがいつ
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