おまえたちは黄色い海の中へとうずもれてゆく/Utakata
 
時計の針なら 少しのあいだ
止めておいてあげる
だから

世界を愛した子供らよ
駆けて
遊べや






  (一面のひまわり畑
   おまえたちは
   その中心に生えた一本の菩提樹を囲んでは
   ひとりずつ黄色い海の中へとうずもれてゆく)





やっと
おまえたちはこの場所に辿りついた
彼らが世界と呼ぶ この場所に





   (地平線の向こうで遠雷が聞こえる
    夕立が来るまでには けれど
    まだしばらくの時間があるだろう)





おまえたちが むかし
鰭を捨てた魚であり
海に浮か
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