胎内。/哀詩
 
の頃ようやっと音と己とは別個のものだと知ったのだと思う。
己の中の音は次第に小さくなっていった。
それと共にどんどん体は重くなっていく・・・
意識は変わらず遠くなるばかりなのだ。

意識を取り戻すと、ふいに空間の大きさが気になった。
体の一部で確かめようとしたとき、
一番最初に動かしたのは比較的下の方だった。
動かした、というよりは 動いた、 に近いと思われる。
すると音が早くなるのだ。

どくん、どくんどくどくどくんどくdんおdくどdおk

痛い、苦痛だった。
しかし好奇心とは怖いもので、
体の上部(それが頭と気付いたのはもう少し後なのだが、)、
頭が痛くなると知
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