胎内。/哀詩
 
母の胎内、それは、それは暗かったことを記憶している。
(そこにまだ君はいない。)


どくん、         どくん、                 と、
深く響き渡る嫌な音が絶え間なくしていた。
はじめはそれでもまだ耐えられたが、
己ができてからは酷いものだった。
それでも音は容赦なしであった。
これは今だから言えることではあるが
おかげで神経が形を成した頃から、頭痛が酷くなった。

そして意識が遠のくのだ・・・。


意識を取り戻したところであの音は止まない。
どくん、 どくん・・・どくん、
いつしかその音は自分の中にも生まれたことに気が付いた。
その頃
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