ひより/わら
 
また、この季節がきたよ
ながかったねぇ
ぼくたち
 
華やいで
きみ 
咲いているよ 

あの花は 
すべてを忘れろっていうように 
咲いて、風に流れているんだ 

うららかな木漏れ日とともに 
おはようって言うんだ 


だから
ぼくは 
春は、ずっと 
きらいなんだ 

冬に息絶えたあの灯も 
嘆きも 
降りしきるあの日々さえも 
なにもなかったかのように澄んでいるんだ 

その輝きが 
ぼくにはとても残酷にみえて 

咲き誇る木々の下に根づく血をおもう 


なのに、どうしてだろう 
光に
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