ひとりぼっちの海/ここ
 
ある日
ひとりぼっちの海は
せつなくて せつなくて
ハァ〜〜って
ため息をしてみたんだ
そしたら
白いため息は
フヮ〜〜って
すました空にのぼっていった

ひとりぼっちの白いため息は
ひとりぼっちの透き通るなみだになって
みんなの心に届いたらしかった
みんな
なぜかせつなくなって
せつなくなって

海は
みんながせつなくなったのに気づいたんだ
(みんなにまで苦しいおもいをさせてどうするんだ)
フゥ〜〜って
まだ空に残っているため息をふきとばしたら
みるみるうちに
すっきりほほ笑む太陽が顔をだして
みんなの心を照らしていった

そしたらみんな
ほっとして
ひとりぼっちの海にあやまりに行ったんだ



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