『似顔絵』/東雲 李葉
とばかりじゃないと、
流行の歌詞は慰める。
苦しい今日を噛み砕き、
明日のために飲み込んで。
悲しいことは嫌いだから、
嫌われることも嫌うこともわたしはどちらも大嫌い。
格好良くても悪くても、
嫌われても蔑まれても、
あなたのことしか見えてないのに。
心に描いたあなたの笑顔が、どこにもない。
わたし、あなたのこと、まだ何も知らない。
いつまでも色を知らない落書き帳。
乾いたらにじんだ顔で笑わせて。
あなたはわたしをどんな風に描いたのかな。
わたしの描いたあなたはね、
ふふふ、笑っちゃいけないね。
最後に知れたあなたとは似ても似つかぬ誰かだったよ。
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