ユリへの断章/
フクスケ
いつのことか
忘れていた
色彩の花は
不分明な闇に
溶け始め
たおやかな
曲線の匂い
に埋没して
ユリ科植物
の夜は
深く沈む
花粉のついた
指
の先に
花は
匂いを残して
腐乱する
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