春/
よしおかさくら
暇を弄んでいる
雨は上がった
日差しのなかに春を見つけ
香りのなかに沈丁花を見つけ
ぼんやりする
渦中のただなかにいると
気づけば
既に過去と知る繰り返し
追いつけたのだ
ようやく
夕方のまだ暗い景色の
冷たさよ暖かさよ
再びの
雨の匂いよ
素早く消えるな
微かな季節に立ち止まり居たい
もう しばらく
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