群れる青、その一部始終/ピッピ
二組の親指と人差し指で
フォトグラフを撮りながら僕らは
あの一瞬一瞬を上手に繋げて
永遠を作り出す予定だった
空に雲は要らなかったし
海に波は要らなかった
砂浜に足を浸した少女が
僕らの目の前を走り去ってく
季節はない
沢山の足跡を滲ませて
地球が痛がっている傷跡
一人 また一人と水に混じり合う
揃えた様に青のTシャツで僕らは地平線だった
何処迄も 何処迄も見た事のない世界
裏切らない世界との境目を
僕らは浮いたり沈んだりしていた
太陽は何時迄も沈まなかったし
僕らは何時迄も人間で居られた
傷つけない世界に乾杯!
僕らは少しのお酒を飲んだ
世界と混じりすぎたそのお酒はもう
透明なのか青なのか分からなかった
鴎が翔んできて
空のジッパーを引っ掻いて行った時
僕らの青い世界はもう沈んでいたことに気付いた
僕はもう赤いだけの空と海に振り返って
不細工な青い微笑みを投げかけた
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