かざぐるま/
松本 涼
駅のベンチで
ひとり晒される風に
カラカラカラカラ
風車が回る
前かがみな夜に
迷い進むタバコの煙りも
なんて遠くへ
風は一瞬に運ぶ
僕の眼の裏で
カラカラカラカラ
風車は回る
シネマのフィルムのように
思い出と空想が
その音に合わせて
カラカラカラカラ
足早に僕を過ぎる
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