括る/aidanico
 
ワタシハ幕府ニ隔離サレタ明治三十七年ノモウ老イ先短イ六十八ノ棒幅跳ビノ得意ナ屯田兵自己ベスト六メートル 十四(世界新))(サア飛ンデ、ソノ大キナ重圧ノ塀ヲ)(ワン、ツー、スリー!)

ポールが揺れる、後二ミリ、セイシ、スルカ!
「まさに静止が生死を分ける瞬間です、おっと、ここで日本代表トクガワヨシノブ(明治生命、68)掌でその棒を制止、なんとも大胆な反則、常軌を逸した反則行為です!」

/其れが最早絵であるのか詩であるのか演劇であるのか絵を擬態した詩であるのかはたまた演劇を擬態した詩であるのか最早詩ではなく演劇を擬態したポール・ニューマンであるかすら判らない。前も後ろも見失って現れたのは記号でも無く今や需要を霞ほども持たずに重宝されている薄っぺらな雑誌でもなくスタンディング・マイクでも無かったことだけは確かなのですが、その先をまだ識らないのです。

/事実、その時全てが全て九官鳥の語る人間論のような物だったのです。いくら無知とは狡い事だとヒューズが飛んで音割れした儘罵られようとも。

………首を!/
            
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