括る/aidanico
 
/事実、あるいていた。
海岸線と海岸線の隙間に、隠れるようにちいさく。
裸足で踏んだ熱い砂浜はコンクリイトのように固く。

/事実、みつけていた。
半田鏝で容易にべっとりと結び付けられた簡略を極めたヒューマニズムというものを。
私には到底書けないものを、理解できなくとも擬似的に理解したとして扱われる感覚を、沢山の使えない旧漢字を。

/事実、みとめていた。
私は寂しい人であると。三角フラスコから伸びる細い護謨のチユウブのような、若さの気泡の抜けない、亦折れることを嫌う、信じ難い悲劇的な終末論のような(そして其れは余りにも容易く想像できる範囲の)思考を、/
回避出来ずに、叉扉を叩
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