チベットに自由を!!/モリマサ公
 
くて
おれは自分の国を捨てようとして信仰のためにすすんでいるわけでもない
おれたちは無差別なテロリストたちが最初は赤ん坊だったことを忘れないが
さっきから低空を旅客機が腹を見せて横切るたびに
忘れてはならないことがあることをまた今もおもいだしてる
強く
強いひかりがさしてる
かげが無いから怖いのがわかる
流動的な輪郭が人類レベルから個人へとうつっていくのがわかる
叫びながら街灯の上でカラスがばたつく
ばたつくごとに誰かが無駄に命を落とすのが何となく理解できる
それらに加担してる自分という現象がぶれながら重なる
深く
深い今はみえない
底がないうえに上もみえない
落ちているのか浮かんでいるのかすらも今はもうよくわからない
君たちは
毎日食うものにも毛布にも困らない
ここは国境じゃないし
まして自分の国を捨てようとして信仰のためにすすんでいるわけじゃない
だれもわたしたちを殺したりしない
だれもわたしたちは殺したりしない

  


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