跳躍/
鈴木
川へ流れ込み鮎に突かれ細分する頃には新しい脱皮の時節、
「かあさん」
と
絶叫する
を
抑えて
吐息を少し
にじみ
外縁に並ぶ木々がつぼみを膨らせはじめている、まもなく開き、風の強い日に散りきって地面を覆うだろう、こすれば一枚いちまいの境界がほどけ薄黒い有機体と化し、口に含み転がしていると舌触りも滑らかに腐敗臭の中で微かに桜のにおいがして私は花弁に戻っていく
部屋に寝転がっている
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