跳躍/鈴木
 
 壁
 のひび割れを
 空がうつろっていく
 に
 なりたい
 あるいは気付いてほしい
 私の複眼で
 午前二時に佇む九段の鳥居は灯りを探し
 一千里先で蛇が
 黒光りをもって抜け殻に感謝している
(あらしめるものへ
 吐息を少し)
 彼は毎昼
 太陽を凝視する
 数秒で眩しく目を離し
 残像に惑って獲物を逃す
 痩せ細り息の絶え絶えに
 砂をかんで明日に笑う
 鳥居よ
 君のまたぐらは
 何を通さないのか?
 海抜で測られる高度より得た油脂で頬ずりしてくる星々を叩き割った欠片に映る雲間から差し込みたい、あるいは雨でしとどにしてほしい、私の薄羽を、共に川へ
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