そんな1ページ/舞狐
 
あなたの暖かい手につかまれた私の冷たい手

ずっとつないでいると
あなたの優しさが染みてきて
暖かさをよみがえらせる

その優しさは
私全体を包み込み
私を安らかな気持ちへと誘ってくれる



でも私の身体を包み込む優しい熱は
悪戯に私の怒りを駆り立てることもある


誰にでも優しいあなた

私だけに優しいワケじゃないんだ


って気付いてしまう


つないだ手を振りほどき
そっぽを向く私


どうしたの?とあなた



返事なんかしてやらないんだもん

行き過ぎる見てない景色に目をやりながら
狭い車内の威圧感

少し窓を開け
あなたの優しさを捨てる

ちょっとわがまましてしまう



ほほ笑みながら
むくれる私の頭を撫でたら

あなたの勝ち

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