雲のような君、籠から飛び出したあの日。/ゆきのかけら(翡翠)
 
どれだけ
この籠の中に
失望と
諦念を
抱いてきたのだろうね

…愛しい愛しい君

君は君のまま
この籠よりも
広い広い世界に
行ってしまったから…

君の空に高く届くよう
まっすぐにまっすぐに育てと
この種を埋めるよ

…君にきっと心伝わるように

もう伝わらない体温を
少しでも伝えるように
その頬を優しく撫でるよ

…もう苦しむことがないように

君に
降り注ぐほどに優しい
太陽色の幸せを…

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