春の鬱人/愛心
 

遠くを見つめる
なんとなく悲しくなってくる
胸の奥深くから込み上げる
灼かれるような痛みに
虚ろに酔う
自分で付けた細い傷が
冷たい春風に撫でられ
甘い激痛をおびる

痛みが心地よいあたしは
汚染されているのか
壊れているのか
涙の雫も
空を映して
灰色に染まる

汚れている

それでも

しぶとく生き長らえる

美しいものを
清澄なものを

破壊したい

そう思うのは

あたしの中の
捻れ崩れた
憧れ

愛しさにも似た

想い



破壊は

悲しくて

罪深い

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