素晴らしき世界/
水口わする
戦争で死ぬのと
事故で死ぬのと
どっちが正しいかと
清々しい顔で彼は言い放ち
自殺した
喧騒の中で繋がりを欲し
関係の中で溺れる彼女は
欲の果てに
殺して欲しいと懇願した
生の途中
死の間際
その先に
生まれ落ち
僕が確かに経験したもの
記憶の底
水の音
黒い光
ほうり込まれたそこは
想像力
放電された思考が唸り
屈折した感情が奥底の鏡を照らす
写し出されたもの
見ないふり
瞼を開ければ
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