トレモロ気味に笑え/箱犬
寂しくて 寂しくて寒くて
待ち続ける私から 白いため息がひとつ
「いくら待っても来ないのはわかっているのに」
言い訳ならいくらでもできるし
体裁ならいくらでも繕えるし
悲しみならいつか忘れてしまうものなんだから
どうしようか どう しようか
迷う私と自販機のコーヒー
夜の明かり ウェルテルの悩み
苦笑なんて言い方が恥ずかしいよ
自嘲気味になんて笑えないよ
寒くて 寒くて寂しくて
もうどうしようもない私から 生きている証が一粒
「いくら待っていても来ないのはわかっているのに」
本当につらいと 何も考えられなくなるね
本当はあなたが来ると 信じていたのにね
無理矢理 そう無理に笑う
自分の知っている最大限の雪の結晶を創造しながら
私 私なんかトレモロ気味に笑え
さぁ、待ちぼうけの今こそ さぁ
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