飛ぶ日/新谷みふゆ
 
眠くなって沈んでゆく 冬の空気の満ちた部屋
放り出されたのは歪んだ逆三角形
電柱の震える音が聞こえている

バランスが悪いから きみと一緒にいたいのかな
肩から逃げてゆく 空に消えた青い鳥
飛行機が最後を見えなくしてしまった

寒いとみんなまるくなるのに
電気をビリビリ発して ぼくはますます角張って
ニ角形の棘がきみを傷付けるから
温めたミルクにぼくを閉じ込めて

飛べない形で空を追う
膜を破って
苛立ちを拡げて 坂道を転げ飛ぶ
あぁ 外は又寒くなってきたね
空がいちだんと蒼を濃くしているね


目を閉じて耳も閉じて 届くのは沸騰する音
疲れた手をして 悲
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