純粋文学への架橋12/チャオ
 
ひとつの詩がある。
そこにはひとつの限界がある。
そこにはひとつの宇宙がある。

だが、それはすでに記され、過ぎ去った物だ。詩が詩を描くものと同じく、変化し続けることは出来ない。詩は永遠を手に入れるために、限界を受け入れざるを得なかった。

「今」を描き、一瞬を永遠にする。僕らに許された行為はそれだけだ。
「今」は過去の延長上にあり、「未来」起点になっている。だけど、それ以上に、僕らは、「今」にしか存在することは出来ない。
過ぎていく「今」に対して、僕らは「詩」を描く。言葉の限界。世界の限界を描く。

その限界地点に、さらにもっと違う世界があることを僕ら自身は知る由もない。

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