最終兵器核家族/人間
 
み込む蛇の
体中のネジ穴からヨードチンキが満ち溢れると 旭光は溺れ 大気は萎え
思い出は同じ土に還り 母は熱を出し 父は泡を吹き
私は物貰いで藪睨みの日の目から目を背け
泣きっ面を切り落とされた燻製の肉塊を背負って
細々とした生活水の這うブリネル圧痕を辿り
その間だけ皆様は安心で安全です

有事の際を湯呑の底に映し見ながら
役立たずの私たち家族は
今も潮時の物陰で生きています
訳の分からない無事が続く限り


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