僕の名前は青木龍一郎って言うんですけど、そんな僕が軽い読み物を書いちゃいました(笑)/青木龍一郎
 
たり前の話だけど何か納得できない。
「こうだい君を見たから」って、僕が「こうだい君」であることが前提になってるのが僕と少女のズレなのだ。
少女は最後に言った。

「まあ、自分がどうとかそういうこと考え出したらキリが無いから。
 自分が青木龍一郎だと思うならそれでいいじゃん。ね。
 きみはこうだい君である必要も青木龍一郎である必要もないのだから。
 じゃーね。バーイ」

少女はクルリと180度回転し、タタタタタとどっかかけていった。

僕は一人
「…青木龍一郎じゃないと駄目なんだよ…。」
と呟いた。気づけば寒さをすっかり忘れていた。
再び、乾いた寒さが肌を撫でる。

なんだか、突然自分が分からなくなった。
うーん、僕は自分とあんまり親しくないんじゃないか?
もう一人の自分が窓から押しかけてきても、そいつと和気あいあいと談笑できる自信が無くなった。
こういうときは、自分が自分であるということの確証が欲しいものだ。
僕は友達に電話をした。
「もしもし、友達?」

「おう、こうだい君か」




僕は思わず悲鳴をあげた。
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