ひとつ、ふたり。/見崎 光
 

月日を重ね
くたびれた場所

君が転校していった夏から
笑いの消えた空間

何故だろう
僕は足を踏み入れていた


懐かしさは記憶を再現し始めて
君と僕だけの遊びを
君と泣いたトキを
僕と挑戦したコトを
ふたりで感じたひとつの時間を
いつしか思い出と呼ぶようになった

遠く、薄くなって、途切れ途切れ
ひとりじゃ辿れない零れた欠片
昔みたいに…

僕の穴を君が埋めて
君の穴を僕が埋めたみたいに
憎まれ口を聞きながら完全させたい


ひとつ、を
ふたり、で





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