ひとつ、ふたり。/見崎 光
月日を重ね
くたびれた場所
君が転校していった夏から
笑いの消えた空間
何故だろう
僕は足を踏み入れていた
懐かしさは記憶を再現し始めて
君と僕だけの遊びを
君と泣いたトキを
僕と挑戦したコトを
ふたりで感じたひとつの時間を
いつしか思い出と呼ぶようになった
遠く、薄くなって、途切れ途切れ
ひとりじゃ辿れない零れた欠片
昔みたいに…
僕の穴を君が埋めて
君の穴を僕が埋めたみたいに
憎まれ口を聞きながら完全させたい
ひとつ、を
ふたり、で
戻る 編 削 Point(1)