夏野雨論 〜撃ち抜くのは、つよいことばなんかじゃないよ〜 /umineko
 
先日、とある催しで、夏野雨さんという方のリーディングを聞く機会があった。

普段ネット上のテキストでしかお会いしたことのない人が、実際にしゃべったり、うごいたり、はにかんだりしている様を見るのは、ひどく新鮮だ。夏野さんの作品は以前から好きでよく読んでいたのだけれど、声で聞く作品はまたそれと違っていた。


  くちびるを寄せて凍えた熱と恋今撃ち砕け春の弾丸


冒頭で彼女がうたったのは、「春の弾丸」という作品の1フレーズ。そして、そのあとリーディングに選んだのは、彼女の詩集「みずのうつわ」に載せられている、「置手紙」という作品。

  ぱしん
  ぱしん
  耳もとで
 
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