卒業式の夜/haniwa
 

いったい世界の夜の
何パーセントの夜が
煮え切らない胸を抱えて
夜道を歩くのだろうか

飲み足りない頭と
伝えきれない言葉を抱えて
何パーセントの人が
飲酒運転を避けた
帰路を歩くのだろうか

何パーセントの夜に
何もない住宅街で立ち止まって
灯の消えた家々の窓を眺め
ただ歩くだけの夜を否定し
このまま帰宅して寝て起きたら朝
それを否定するためだけに
ただ否定するためだけに
歩みを止め
なにもない住宅街の真ん中の
寝静まった世界の中で
僕は
僕はただ暗い空を眺め

きみにいえなかった言葉と
自分にごまかしてきた思いを

消化するようにメールを打ち
誰でもいいからメールを打ち
タイミングさえ合えばこれから飲もうと
画策するけれども時間は過ぎ
自宅は近づき
歩みは進み
それを否定するために
ただ少し遅らせるためだけに
また歩みを止め
どこにいるのか
僕はどこにいるのか

何パーセントの夜が
居場所を見失い
明日を見失い
昨日を忘れて
朝をみるのか
朝をみれるのか
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