雨の流れかた/水町綜助
目から涙が
流れるのを見ている
左耳を枕に押し付けて
横たわって
右目の目頭から
左目の目尻から
梅雨の日のガラス窓
流れて渇いて
それを部屋の中から眺めているような
すこし肌のおうとつで
うねっていくのは雨で
涙じゃない
内側から眺めていて
僕は濡れてはいなく
窓の外に立ってはいない
僕は涙を
流れているのを見ている
右目の目頭から
左目の目尻から
流れているのを見ている
その流れ方をじっと凝視している
血管のような流れ方だとか
川ではない流れ方だとか
思いながら
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