おとうしゃん/小川 葉
 
おとうしゃん、おとうしゃん
三歳の息子が僕を呼ぶ

お父さん。

一瞬
低い声で
青年の眼差しを見た

もう彼の大人は
目覚めはじめてるのかもしれない

おとうしゃん、おとうしゃん

好きな女でも出来たのか
それとも家を出て行くのか
戻る   Point(5)