【短歌祭参加作品】グッド・バイ/簑田伶子
 






砂浜のない水たまりがさみしくて砂時計から補充した陸



さようなら ― もとは接続詞なのだから ― 悲しむ理由はどこにもない



「リコーダーを縦笛とよぶ日常は、果実のように傷んでいくね」



ただきみに白をみせてあげたくて父の煙草を着服した日



(最近のラムネはビンを割らずともびいだまを取り出せます)リセット



間違えて塊をたましいと読んだあの正しさをわすれたくない



第一話になりそこねた朝に降る雨ストライプのシャツへつづいて






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