【短歌祭参加作品】「 黒水公園にて。 」/PULL.
 






誰もいない公園のシーソーでかたんことん魄とあそんでる。


ジャングルジムの上飛び降りて着地して弾ける魄まぶしくて。


砂場に書いた第一話さらさらと風に撫でられ脚色されて。



うまれたての魄のたまご踏みつぶして今日もリセット…なんてね。



水たまりに映る影ひしゃくで救って脚にかけ影のふりして。


公園の外はきっと雨だから水たまりの影を着て待っていた。


なお暗くこぼれた夜がしたしたと水たまりを黒く染め歩く。




激しくてなにも見えない雨の向こう雨笛が聴こえるさようなら。


ゆかないでと雨が踏むから涙があふれだけどさようなら魄。




あたたかいきみの胸とくんとくん雨音が魄を数えてる。












           了。


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