羅列による平坦で陳腐な文章[その1]/西日 茜
 
(一)クレイム

クレイムは自分が愛されていないと言うが、愛を得られないことに対する苛立ちの感情に支配されたナルシシズム(自己愛)に満ちていた。つまり逆説的に言えばクレイムは対象を愛していないのだ。むしろ感情の、もしくはそこを支配するアンバランスな原始脳によって満たされることを望んでいるに過ぎない。


(二)データ

そもそも自然な感情でなければならない「愛」が歪められて理解されていたならばそれは自虐的な偽善であろう。自己を映写しているモノクロームは現実味を帯びない。求める球体は赤でなければならない。全てをあたため、そこに吸収する炎である。朝に一杯の味噌汁を食すように、しみつ
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(4)