瞳/
水町綜助
開いた口に降る光を呑みこむ
瞼は閉じた
美しいとしか
いま見ないから
環状に走る電車の
円心に黒い瞳を塗りこむ
同時多発性の感傷を
相対的に涙するために
そして一周回り込み
もと来た街に降り立てば
いまよりもっと
鈍感になっているだろう
瞳がかんじるものは
光
乾き
潤い
暗さ
様々な出来事
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