ふたごごっこ/少女的
お昼休みの校庭のすみっこで
ハナミズキの落とす影のうえ
あたしたちはふたりきり
いつもなにか秘密をよせあって
他の子が仲間に入れてとやってきても
「いまふたごごっこしてるから」と
つっけんどんに追い返し
おでことおでこをくっつけあってわらう
こそこそ悪口を言いながら
こちらをふりかえりふりかえりして去ってゆく
同じクラスのおんなのこたち
彼女たちが告げ口するから
昼休みがあけて次の授業のはじまりの前には
先生がわたしたちふたりのうち
どちらかを名指して怒るのを知っている
「怒られるね」
「どうしようか」
「どうする？」
くすくす笑いながら
あたしたちは示しあわせたように立ち上がり
手をつなぎあって
光のなかへ飛び出していく
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