少し大きな動物/
kauzak
なきたいときには なけばいい
僕たちは何かをためらうことばかり
覚えていて
ほんとうの声をなくしてしまった
声帯が震わせるものは空気
音にしかなりきれない
言葉のオブジェ
である理性
という武器を手にして
僕らはその身の丈に合わぬほど
この大地の上で大きな存在になった
けれど気がつくと僕らは
他の生ける者たちの因果の縁から外れ
無軌道に増殖している
なきたいときには なけばいいさ
感じるがままに身体が動く
それが動物ってものだろう
戻る
編
削
Point
(9)