透明な言葉/ANA
 
ずっとやさしく包んできた
大事に育て暖めてきた
そんな言葉たち
全て私から生まれてきたものなのに
どうしてだろう
この世の風に洗われた瞬間
石のように色を失い、凍りつく
発せられたその時
綴られたその時
言葉は命を奪われる
どんなに魂を注いでも
ひたすら生み出される言葉達は
冷たい現実にさらされて
あっというまに枯れていく

「いまあなたに伝えたい気持ちを表すことはできない」

私は今日もうなだれて
透明な言葉の連なりを、空に綴り続けている。










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