四季の、けもの/こしごえ
 
並木道は遠い空に凝立し
刻刻と外縁する静寂の列柱

冬枯れの枝に蕾のきざし
風光るまなざし
光繁る青葉
うつむいて秋晴れ
めぐるのは時ではない

螺旋する火の罪が現象する深い森の霧へすすむと
閉じられた唇が
密やかな眠りを告白しつづける
無口な生きものの耳がざわめき
広がりをもつうす闇で泉が澄みわたる
暗かった羽たちはいつまでも燃焼の死を知ることはなく
いっせいに羽撃きあおざめていく空へ

終焉の始まりに実った星を狩る娘を
羊歯(しだ)が青い息で食み出す無重力の栄螺(さざえ)へ
渦巻いている道はどこまでも暗く幽かな無音を孕みながら
四次元を旋回している

研ぎ澄まし


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