巣 立 ち/李伍 翔
 



何もかも投げ出したくなる衝動を

バネにして

走り続ける 努力 をしてきたけど

そろそろ 息切れ


助けてほしい と

願っている間は

どこまで行ったって

独りで歩むしかなくて

すすり泣きや

嗚咽をやり過ごしても

心の空洞は広がっていく



手をとって

「大丈夫だよ」 と言ってくれる

とても 大きな 父 という存在も

本当は

自分と同じなんだという

どうしようもないくらい

単純な真実に


もう 迷惑はかけないと

心に決めた

春の日
戻る   Point(1)