回転する王の座標/狩心
 

酔い痴れるワイン

雲の切れ間
そこから何処かへ飛び出していく
クラゲ達の群れよ
雷撃の痺れ
足先に 手先に
光が転倒する度にユニバース
白髪が血みどろに塗られ
蛇のように体から逃げていく

ただその地点だけに輝いていた
馬車と大地の狭間で空を見て
波打ち際と車輪の音を聞きながら

いのちを
本当に捨てたか?

小さな無数の金貨が
命よりも硬かった日

王の図書館には
野生のウルフが氾濫し始めていた
兵士達は皆
愛する者の元へ赴き
王は一人
天にも届くほど高い塔の窓から
落下した
ユニバース
生きているわけがない
子孫が
右手を取り戻した時

泣くのはたった一人
空の中で

エンドレスエンドレスエンドレス にじみ寄る混沌
発見者に待機 発券者に大気

クラゲ達のダンス
投げ出したロードに
ビロードの
スカイ

速度を得た
大地

生まれて来るなら図書館のウルフ
金貨よりも硬い


戻る   Point(3)