夢2 〜塔の上から見た風景〜/れんげ
大きな塔の上から
下の世界を眺めると
客観的に
この国は色がないなと思うのだけど
じゃあ、さて色をつけようとしても
センスのないぼくは
きっと、特定の女の子にだけ気に入られるような
ピンクや薄紫、更には花柄の壁などを施し、
夜しかいらないので
金色に輝く太陽をも塗り潰す
ということになりかねない
さて、ぼくはというと
この国の王様でもなければお金持ちでもなく
勝手に想像や夢の中でだけ本来の自分になる
臆病者の貧乏人だ
はじめに書いたように
この国は色がない
ただ
この塔にしても
あの図書館にしても
君の住む宮殿にしても
建物の造りはとても凝
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