死。私が見たのは、/エチカ
どこまでもどこまでも大きくなって
次の瞬間、紙くずみたいに吹き飛ばされた
ぴゅうっと。
革命が起こりました革命が四時の方角です。
限りなく落とされる爆撃機の音を聴きながら自転車をこいでいる。
鯨が海からこちらを覗く
角を隠した白装束の娘達はいつも嫁ぎ先を知らない
知らずに海へ帰る
散らばった白い液体にまみれて
海に帰る
深くに沈み、遠くに喘ぎ
そのこだまする音楽はいつも止まない
私をいつも通り抜けて
私を深い深いところまで陥れて
ピアノの旋律の響くことの無い真っ暗な闇
目を閉じて口をふさいで鼻をつまんで
全てを閉じて埋め尽くす
そう、
たとえば 死、
私が見たのは。
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