居/鈴本 蘭乃
 
うそよりもほんとの方が痛かった 居たかったのはあなたの隣

「君いつもひとりでいるよね」「違います隣に居るの透明人間」

透明になればこのまま居られるの? 問うてはみても応え返らず

返すならあたしの皮か肉か骨 此処に居させて魂だけは

骨だけになったあなたを抱きしめてあたしは今日ものうのうと居る

消しゴムで破れたノートの切れ端にあたしの居場所創ってみたり

創られた世界に居ようと日々模索 楽しいですか?“人間ごっこ”

「それならばいっそ人間辞めちゃえば?」「ごめんね、そんな勇気はないの」
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